にゃー……。

気がつけば、僕の足下にびわが来ていた。
足にまとわりつくようにして鳴いている。


「びわ……」


僕はびわを抱き抱えた。


そうか、待っていてくれたんだね。
僕の事を、待っていてくれたんだね。
僕は寂しがり屋だから、君は心配してくれたんだろう?

ありがとう。

ありがとう。



花保理が僕の腕にそっともたれた。

僕と視線を合わせ、ゆったりとほほ笑む。


ああ。やっと、家族が揃ったね。

僕たちは季節を巡ったね。


ありがとう。


僕は目を閉じた。




もう一人じゃない。


花保理がいる。

びわがいる。




一緒にいこう。


愛しているよ。






愛しているよ。