一人暮らしにも、右足の扱いにも慣れきってしまい、平坦な日々を送る僕に、ある日突然家族ができた。

びわだ。

最初は、厄介者を押し付けられたような気持ちだったが、彼は僕の唯一の最後の家族になった。
よちよち歩く子猫だったびわは、確実に僕の心を癒してくれた。
愛らしい仕草に、鳴き声に、その存在に。
育つにつれ、相棒とさえ呼べるようになった。

彼との生活は、僕に張りをくれた。




ゆっくりと、静かな落ち着いた生活。
波一つ立たない、森の奥の湖のような僕らの生活。


そこに、再び君が現れた。