僕に仕事を与えてくれた夫妻は、死ぬまで僕を心配してくれた。
僕を息子のように感じてくれていたのだろうか。

実の息子に、僕を気にかけてやってくれ、と言ったのだそうだ。
その息子が、今は画家としての僕のマネージャーをしてくれている。


何年も時は流れ、それでも変わらず僕は花保理と暮らした小さな家で、絵を描き続けた。
ただ、花保理の絵を描くのは、いつの間にかやめていた。
僕の納得する花保理を、永遠に描けない気がしたからだ。