楽しい生活が始まった。

朝は彼女に見送られて家を出て、仕事が済めば、定食屋にいる彼女を迎えに行って並んで帰る。
夜は共に眠る人がいて、朝は起こしてくれる人がいる。

それは花保理にとっても、新鮮な事らしかった。


『自分じゃなくて、人のために何かを出来るってすごく幸せなのね。自分の生活に誰かが深く関わるって、すごく安心なのね』


よくそう言っていた。





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