テキトー上司は、溺れるほどの愛を私に注ぐ。

ハハッと爽やかに笑う部長に、曖昧に微笑みを返す。


物分りは良い方だと思う。
つまり、この流れからしてその"プロジェクト専任の事務仕事を任せられる人"に、なぜか私が任命されたのだろう。



「石井、頼まれてくれないか?」



やっぱり。
……新規プロジェクトの専任なんて、私に務まるのかな、と不安が過ぎる。


そもそも、大学を卒業して入社したのが22歳の時。入社4年で新規プロジェクトに携われるほどの知識があるかと聞かれたら答えは限りなくノーだ。



「大丈夫。プロジェクトリーダーに就任したのは、海外支部の企画課長を務めていた工藤だ。何かとデキル男だから安心して良い」



「か、海外支部……?」


「あぁ。工藤も元々は本社勤務だったんだが、何年か前に実力を買われて海外支部に転勤になったんだ。今回、このプロジェクトに携わることが決まって、数年ぶりに帰国したらしい」



そ、そんなにすごい人と一緒に仕事するなんて……益々無理!!未だに1日1回はそこそこ大きなミスをやらかすし。

要領がいいかと聞かれたら答えはこりゃまたノーなわけで。



「ま、そういうわけだから!よろしく頼むな」