これは、ストーカーじゃないから!

必死に自分に言い聞かせる。

ただの偶然!

行く方向が同じだけ!!


そう心のなかで繰り返しながら、


駅の方へと足を運ぶ流山くんの後ろを
追いかけた。

足早に駅に向かう流山くんは
後ろを小走りについていく私に全く気付いていない。

気づいたところで、私がだれなのかもわからないかもしれない。


……流山くん、どこに行くんだろう?



今まで見たことのない流山くんの困惑している表情。


そんな流山くんが足を止めたのは映画館の入り口だった。