たぶん、この気持ちは消すことができない。
流山くんの姿を見ながら、そう思った。


自分のなかだけで想っていることが許されるのなら
あきらめたり消したりしないで、
この想いを大切にしていたいと思った。


すると、静かな朝の道場に突然大きな足音が響いた。


驚いて振り向くと、

琥珀色の髪を揺らして背の高い華やかな顔立ちの男の子が

道場に向かって走って来るところだった。


一心に道場に向かうその男の子は、
全く私の存在には気づいていない。


その背の高い男の子が道場に入ると、
遠目でも流山くんがとても驚いているのがわかった。


一言二言、言葉をかわすと、
その男の子は流山くんに、なにかを手渡した。