あの日、吉川さんを見つめていた流山くんの柔らかい笑顔を思い出す。


自分の想いは届かずに、
人の気持ちを踏みにじるようなことばかりして、

告白されては、断って、人を傷つけて
私はなにをしてるんだろう…


その日の下校の時間、
流山くんとすれ違ったけれど、

流山くんは私に気づくことなく、

友達と昇降口へと向かっていた。


あきらめよう。
そう思った。

もう、彼に恋する気持ちを捨ててしまおう。


流山くんの後ろ姿を見ながら、
そう心に決めると、

流山くんの大きな背中が涙で曇った。