「だーかーら、その思考がやばい。

空手の体験に行く話から、
いつもの盗撮にもどってるから…」


そう言って、杏ちゃんががっくりと肩を落とした。

そんな杏ちゃんの隣で、琴ちゃんが首をひねる。


「なんでそんなにモテるのに、ストーカー行為ギリギリのことしようとするかな~。

ひとりで道場に行って、大丈夫?」


それを聞いて、

なにやら考えていた杏ちゃんが

パンっと手を叩いた。



「あのさ、私達も一緒に空手の体験に行くってのはどう⁈ 」


んん?


「あ、それいいね!

しずくが暴走して通報されないように
付き添いでね!

さすがに流山も同じ学校の女子が道場に来たら気づくだろうし!」



「本当にいいの⁈」


ふたりが一緒に来てくれたら、
これほど心強いことはない〜っ!


すると、琴ちゃんが頬づえをついて

不思議そうに口を開いた。


「でもさ、流山にこだわるよね?」


「顔だけで言ったら、流山よりかっこいい人たくさんいるのにね?」


そう言った杏ちゃんに
静かに首をふる。


流山くんほどかっこいい人を私は知らない。