あれから、何度も流山くんに話しかけてみようと思ったけれど、

そのたびに失敗して知ったこと。


流山くんは、私に全く興味がない。



「はあ……」



窓のそとを見ながら深くため息をつくと、
杏ちゃんと琴ちゃんも

同じように、ため息をついた。


「しずくのそういう物憂げな表情は、
ほんと、息をのむほど綺麗なんだけどね」


「うん、女の私でもドキッとする」


そ、そんな!


……と、


褒められたと思ったは、つかの間のこと。



「でも、流山のことになると言動がね~~~‼」



「やっばいよね~~~~‼‼」



……ひ、ひどい。



「あのさ、もっと違うアングルから
近づいてみたら?

学校だと男子とばっかりつるんでて
話しかけにくいだろうし。

そもそも、しずくが近づこうとしても
他の男子に囲まれて
どうにもならないでしょう?」


うっ…


「でも、違うアングルって、どうやって?」


じっと、杏ちゃんの言葉の先を待つ。