そしていよいよ緊張の委員会。

流山くんが教室にやってくると、
震える足を前に押し出して、

「雑誌みたよ!すごいね!」って、

自分史上最高の笑顔で流山くんに話しかけた。



つやつやの髪は今日のために毎朝欠かさなかったアルガンオイルのトリートメント。

唇はプルンとうるおい重視のグロスで。


少しでも可愛いって思ってほしかった。

他の誰かじゃなく、
流山くんにそう思ってほしかった。


でも…


「いや俺なんてまだまだだから!」ってさわやかに笑って、


彼は私の前を通り過ぎていった。


それで終わり。



え、、、これで終わり?


話しかけることに精一杯で、
その先の会話をまったく考えていなかった。


声をかけることだけを練習しすぎた。



せめて、『流山くん』って呼んでみたかった……



私の大馬鹿野郎…