日本一の総長は、本当は私を溺愛している。

察する。



東華がニィッと口端を上げる。



「き、きさぁまぁぁぁぁぁー!!!!」



「ふふ、そんなに怒ってどうされたので?」



「殺す!!
殺す!!!
殺す!!!!」



「ふふ、こわーい」



赤瀬の最強部隊にも劣らぬスピードで地を蹴る。



身体をひねり隠しているナイフを取り出す。



勢いそのまま切りつける。



「しねぇぇぇぇえー!!!!」



「ふふ、ざんねん」



ガっ!!!!



東華がその言葉を呟いた瞬間
私の体は地面に叩きつけられ



誰かが私の背中に乗っている。



「くそ!!くそ!!!」



「そんな怒らないでくださいまし。


私は、朋花様を、
殺してませんわ」



ふふ、と美しく笑う。



月明かりを背に青いドレスを着ている女は
椅子に座る。



月を背に従えている様子は
まさに王座に座る王女。



「殺したのは、あなた方ですわ」


ぐわりと怒りが上がる。
しかし、東華の微笑む顔で思うつぼだと
みずからに反省を促す。



「ふふ、どうぞおすわり下さい」



歯を軋ます音が微かに響く



「ふん。
生憎、こいつのせいで動けん」



「あら、申し訳ございません。
七。お連れして」



七と呼ばれた男はゆっくりどくと
私を座らしてどこかへ消える。