初老の男と彼女が話しているが
内容は聞こえない。
それよりも全力で逃げることに集中する。
怖い。
怖い。
握りしめている手は真っ赤だ。
手を服で拭くが消えない。
怖い。
怖い!!!
ガンッ!
つっっっっつ!!!!!
後ろから頭を蹴られて顔面から地面を滑る。
痛い。
でも、彼女はもっと痛かったはずだ。
蹴られた方を向くと
彼女がいた。
「あ、あの」
グイッ
引っ張られ立たされる。
襟を掴まれ壁に押し付けられる。
彼女の手も、血だらけだ。
「何がしたかった」
久々に聞く彼女の声は、
変わらず鋭い中にも優しさがあった。
「き、君を、助けたくて」
「助けられることをした覚えはない」
「え、」
「悪いが、おまえが
どこの誰だか知らないし興味もない。
だから帰れ」
「ま、待って!!
僕を、
僕を覚えてないの!!!」
内容は聞こえない。
それよりも全力で逃げることに集中する。
怖い。
怖い。
握りしめている手は真っ赤だ。
手を服で拭くが消えない。
怖い。
怖い!!!
ガンッ!
つっっっっつ!!!!!
後ろから頭を蹴られて顔面から地面を滑る。
痛い。
でも、彼女はもっと痛かったはずだ。
蹴られた方を向くと
彼女がいた。
「あ、あの」
グイッ
引っ張られ立たされる。
襟を掴まれ壁に押し付けられる。
彼女の手も、血だらけだ。
「何がしたかった」
久々に聞く彼女の声は、
変わらず鋭い中にも優しさがあった。
「き、君を、助けたくて」
「助けられることをした覚えはない」
「え、」
「悪いが、おまえが
どこの誰だか知らないし興味もない。
だから帰れ」
「ま、待って!!
僕を、
僕を覚えてないの!!!」


