日本一の総長は、本当は私を溺愛している。

4年前。



大きな木の箱の影に隠れて
大きく息を吸う。



何年か前に女の子が教えてくれた
隠れる方法の一つ。



息を殺して



殺気を隠して



緊張を無くして



集中する。



すると自然とナイフを握った手の震えは止まる。



大丈夫



僕ならやれる



彼をやらなくちゃ



彼女は幸せじゃない。



彼女を



助けなきゃ





情報通り黒塗りの立派な車が入ってくる。



その瞬間また緊張が膨れ上がる。



ダメだ。



落ち着け



緊張したら



成功するものも成功しない。



黒服の男の人が扉を開ける。



そこからででくるのは見覚えのある初老の男。



大丈夫。



やれる。



ナイフを握った手に力を入れる。



近くにあった石をな車のボンネット投げる。



それにより2人がそちらに向かう。



1人は初老のそばを離れない。



だが、目線はあっちだ。



行ける!