「私にこんなことして!
私は、私は、こんなに好きなを"白龍"
離れるき無いんだから!」



もしかして、悪者にされてる?



「そんな、そんな事言われても
絶対、絶対離れないんだから!」



涙付きの名演技。



周りの人達は勘違いをして
私をいつも以上の目で見てくる。



っ、



泣きたいのは、こっちだよ。



やばい、この目は、



少しだけ目じりに涙が溜まる。



怖い、けど、



悠月は呼べない。



だって向こうは白龍の姫だもん。



悠月には、嫌われたくない。



唇を噛んで涙を堪えるが目の前が歪む。



「あ、あ、篤紀くん!」



後ろをむくが誰かわからない。



だれ?



篤紀?知らない。



篤紀と呼ばれた人が私を見て
眉を顰める。



うん、そうだよね。



逃げよう。



こんなに見られるのは嫌だ。



壁を使って立ち上がる。



がんっ、と肩には衝撃走って
また転んでしまう。



百合が走って篤紀の元に行って
わざと当たったのだ。



ほんと、嫌になる。



もう一度立ち上がると駆け出す。



幸いにも他の人達は篤紀とやらに
夢中で気づかなかった。



逃げなきゃ、泣いちゃダメだから、



逃げなきゃ。