ここに住んではや数週間。



ほとんどの間取りは覚えた。



東華の部屋にも迷うことなく行き着く。



「誰だ?」



「俺だ。」



「.....」



「正信だ」



「入れ」



っ!



その部屋は紙で埋もれていた。



東華と出入り口をつなぐ一本道以外は
全てが白い紙で覆われている。



紙全てに文字が書いてあり
ペンであるということから自筆なのが分かる。



「呼んでいると聞いて来たが、
邪魔だったか?」



「いや、ただの記憶の確認だからな。
大丈夫だ。」



ピリピリとした空気が流れる。



機嫌が悪いのは本当らしい。



「記憶の確認?」



「あぁ、少し待て」



「そりゃ、いいが」



これ、見ていいのか?



チラリと足元に拡がっている紙を見る。



っ!



これって、



《6歳3ヶ月と13日》



《8歳10ヶ月と30日》



《5歳9ヶ月と21日》