「それって」



「あぁ、俺達ガキが理解したのは随分後。


俺と一ノ瀬家のガキが鳴瀬の家に近づけば
近づくほど人は多くなる。


簡単な方を選んだ罰だ。



逆に東華様の方は既にゴールしていた。


俺達が帰る頃には襲名式の日取りまで
決まっていた」



「おい、途中から、桃華が東華に、」



「あぁ、途中から自分で名乗り始めた。


弱い自分は捨てた。


って言ってな。



東華様は東華様になった瞬間変わったんだ。


何もかも。


優しかったあの方はいなくなった。」



「おい、それって....」



「正信。」



っ、誰だ!



門の所から出てきたのは妃瀬組の1人。



「東華様がお待ちだ。」



っ、あぁ、会う約束だったな。



「行ってこい。


あの方は、


妃瀬 東華様は、


機嫌が悪いと殺すぞ」



あぁ、そうだろうよ。



お前の話で妃瀬の怖さをよく知ったよ。



幼い頃からの英才教育で



人を殺せないはずがない。