成瀬 渉の話をしていたら
桃華の顔色が悪くなった。



「桃華?」



呼びかけても応えない



「桃華!!」



どんどん青ざめる顔は聞く耳を持たない



クソ!



どうなってんだよ!



「桃華!!」



「こわい。」



桃華の口が微かに動いて小さくつぶやく



「怖い?なにが?」



それ以上何も桃華は言わない。



っ!?!?!?



「桃華!!!」



ぐらりと揺れた桃華の体は気を失っている。



篤紀が退いたソファに寝かせるが
原因が分からない。



「桃華、ちゃん?」



和真の声に後ろを振り向く



まずい!!和真が見てしまった!!



「おとう、さん?」



「ちがう和真!!しっかり見ろ!!!」



和真は、母親に置いていかれた事で女が嫌いで



男手ひとつで育ててくれた父親が倒れてから
人が倒れる姿を見るのが無理だった。



しかも、同じ空間にいても拒絶しないぐらい
心を許していた桃華が倒れるとなると



結果は見えている。