相手はカバンからハサミを取り出し、髪を引っ張る。 『や…やめて!私、嘘なんかついてないよ!』 抵抗したが、遅かった。 ジョキンッ! パラパラと髪が落ちる。そんなの構わないと言うよう に女子達はきゃははと、笑いながら立ち去る。髪が落 ちるとともに、涙がこぼれる。毎日、毎日頑張って作 ってきた愛想笑いが無駄だったと、そう言われたよう だった。涙が止まらない。