椎葉 紗奈。
所謂幼馴染というもの。
「紗奈…?!」
気づいた時には紗奈は俺の腕の中にいた。
「相変わらずほっそ〜い!背も高くなってる〜!」
…恥ずかしいことに俺は小さい頃、紗奈より背が低かった。
「…そりゃあ、もう21だしね。紗奈こそ…ここで働いてるの?」
小さな喫茶店。
レトロな雰囲気が居心地が良い。
「うん。私、小さい頃からこんなオシャレな喫茶店で働くの夢だったんだ〜」
確かに紗奈、そんなこと言ってたかも。
本当に実現させるなんて…流石だな。
「さてさて、ご注文は何にします?」
俺をテーブルに案内して、ちゃんと店員さんをしている。


