「誕生日おめでとうございます!」
キョトンとしている結城さんの意識を取り戻すかのように、携帯の通知音が鳴り響く。
「あ…りがと…」
少し紙袋がへこんだけど中身は無事なプレゼントを渡すと、嬉しそうに結城さんは笑った。
「ネックレス…?」
結城さんの白くて細い首に似合うと思ったネックレス。
……でもこの人はネックレスを好きな人に贈る意味を知らないだろうな。
結城さんはそれでいい。
ずっと知らないままで……───。
「やっぱり似合う、可愛い。」
結城さんの首でキラキラと光るネックレスは似合ってて可愛い。
「可愛いとか、…嬉しくないし。」
そっぽを向いた結城さんの耳は真っ赤っか。
…その言動一つ一つに好きだとまた思わせられて。
「…結城さん、おめでとう。」
どれだけ言葉にしても足りないくらいに好きで、どうにかなってしまいそう。
逞真side end


