「浮気？」
弥恵はそう聞き返し、目を細めた。
「そう。もし彼氏が浮気したらどうする？」と私が尋ねると、しばらく考え込む。そして。
「許さない」
「どっちを？」
「女」
と、いやにはっきり答える。
なんだか実感がこもっていて__弥恵はあまり怒ったりしないけど、意外と修羅場を経験してたりして。
「でも、なにか理由があるかもしれないよ？」
「浮気してもいい理由なんかある？」
「それは__話し合ってみないとわからないし」
まっとうな意見だけど、私は先生と話し合ったことはない。
真実を突き詰めてしまえば、この秘密の関係は終わりを迎えてしまいそうで__。
あと、私がすべてをさらけ出して相談できるのは1人しかいない。
「ちょっといい？」
わざわざ離れたクラスに行って、話を聞いてもらうことにした。
だって、私と同じ日替わり彼氏をやっていたし。
「浮気ー？」
志保は相変わらず、幸せオーラに包まれている。
「うちの彼氏は私一途だけど？なに？智花の彼氏が浮気してるの？」
「__そうみたい」
「そんなの、簡単に解決できるよ？」
「えっ？」
「簡単簡単」
志保は軽い口調で、にんまり笑って言ったんだ。
