「リホちゃんってもしかして恋愛上級者なの?」

「胡桃ちゃんよりは上手だと思う」

「うわあ、言われてやんの」

彗が笑う、リホちゃんも笑う。あたしも「えへ」と声にはする。



「胡桃ちゃんは灰野くん大好きでしょ?」


「なんでわかるの?彗言ったの!?」


「言わなくても見てたらわかるよー」


「え……?」


目を見開くあたしに、リホちゃんはフフッと笑う。


「胡桃ちゃんってお人形さんみたいに可愛いし、灰野くんと並んだらすっごく似合うと思うけど……。本当に灰野くんと付き合いたいっておもってるの?」


「え?えっと、うん」


「へぇー。でもねぇー、灰野くんと胡桃ちゃんって中身がさ。磁石で言うとN極とN極なんだよね」


「はじくタイプ?!」


「そうそう、絶対にくっつかない」


目を細めて笑うリホちゃんは、鬼の子なのかな?