まぁ飲めと、渡されたコーラをプシュっと開ける。


「かんぱーい」


カツンとぶつかった缶。


ナギの目が笑いもせず俺を一瞬見た気がする。


「逆に、灰野はなんで告んないの?」


返す言葉と一緒にコーラを飲み込んだ。


「”藍田さんの前じゃかっこつけられないから”だろ?うけんだけど」


本気で笑ってんじゃねーよ。


「かっこつかないからじゃない」


「じゃあなに」


知ってんじゃん、お前。

何で言わせんのかわかんないけど、怪我してて可哀想だから言ってもいいや。


「中1の……藍田さんと別れそうな頃、ナギと藍田さんで俺の悪口散々言ってたじゃん」


「悪口ぃ?」


「ふざけんな。思い出せ」


「えー?」


顔をしかめて首を傾けないと思い出せないのか。人のトラウマを作っておいて。


「ごめん覚えてないなー」


まじかよ……。引いた。

ガンっと机に缶を置いた。