ドクンドクンと心臓ばかり激しく動いてあたしは動けない。 「ナギのこと好きじゃないって言うけどさ。じゃあ中1のころからナギばっかりなのは、なんでなの?」 「ナギちゃんばっかりなんてこと、ないよ!?」 それを言うなら、灰野くんばかりのあたしだ。ずっと。 「だったら」 灰野くんは呆れ笑いで、あたしに言った。 「だったら……。俺を妬かせるのは計算なの?」