イツキは舌と机を固定されてしまったため、その場から動けずにいる。


「これ……この数字はなんだ?」


カズヤがが画面を指さして言う。


見ると、そこには《10》という数字が書かれていた。


カウントダウンではなく、イツキへのミッションの後に書かれている文字だ。


「なんだろう……? 今までこんな数字出てなかったよね?」


「あぁ……」


頷いた瞬間、カズヤが息を飲む音が聞こえて来た。


「まさかこれ、釘の本数じゃねぇよな」


「え? 10本の釘を刺せってこと?」


あたしは驚いて聞き返した。


「だって、カウントダウンは止まらねぇし……」


そう言われて、あたしはイツキへ視線を向けた。


イツキは青ざめ、体をこきざみに震わせている。


こんな状態で、残り9本も釘を打てるとは思えなかった。


イツキは今にも倒れてしまいそうだ。