もう1度コントローラーをいじってみたけれど、どのボタンにもキャラクターは反応しない。


「そんなことより、今は外に出る方法を探さないといけないだろ?」


後ろにいたイツキがそう声をかけてきた。


「なぁ。このゲームを起動してからドアは開かなくなったよな? スマホの電波も、普段なら学校内はどこでも使えてた」


イクヤが冷静な口調で説明をしている。


薄々感じていた嫌な予感が、イクヤの説明によって現実になっていく気がした。


「このゲームが原因だって言いたいのか?」


イツキの質問に、イクヤは「そうかもしれない」と、呟いた。


「じゃあ、ゲームをクリアすればいいだけだな」


カズヤが軽い調子でそう言って、画面を見つめる。


「クリアって言っても、キャラクターは動かない。完全にバグってるんだよ?」


ホナミがカズヤの言葉に反発して言う。


そう、ゲームは壊れている。


だけどカウントダウンだけは進んで行く。