あの出来事から2か月が経過していた。


倉庫と部室内の土砂は綺麗に取り除かれたが、今は両方とも使用禁止になっている。


あたしたちを散々振り回したゲームは、どこをどう探しても見つからなかった。


けれど、土砂が流れ込んできた時の映像はイクヤも同じように見ていて、自分たちがゲームをクリアしたことで供養されたのではないかと、考えられた。


「今日はいい天気ですよ」


あたしは先生へ向けてそう声をかけた。


隣にはイクヤもいて、白い花を持っている。


「先生、あの時は助けてくださってほんとうにありがとうございます。おかげで俺、今でもこうして元気で生きてます」


イクヤは先生の前に座り、そう言った。


あの時、あたしは懸命にイクヤと先生の姿を探した。


そして見つけた時、先生はイクヤに覆いかぶさるようにして無くなっていたのだ。


先生の背中には電動ばさみやガラス片が所狭しと突き刺さっていて、あの混乱の中、目が見えないイクヤを庇うために自分の身を犠牲にしていたのだとわかった。