「学校はどうなってる?」


「うん……まぁまぁかな……」


あたしは暗い気分になり、曖昧に頷いた。


イクヤたちが学校からいなくなり、あたしは一人ぼっちになっていた。


あんな事件があって、あたしもその場所にいたということで、みんなあたしに近寄ろうとしない。


イジメられているわけじゃないけれど、まるで空気みたいに扱われていた。


これから先学校生活がどうなっていくか、考えると不安でならなかった。


「もし嫌になったら、学校やめて俺と結婚してよ」


「え?」


「あはは。冗談だって」


そう言い、あたしの背中をポンッと叩くイクヤ。


だけど、あたしの心臓はドクドクと早鐘を打っていた。


2人が結婚できる年齢になったら、それもいいかもしれない。


他人には話すことのできない過去を持っているもの同士、一緒にいれば安心することもあるかもしれない。


そんな期待が膨らんで行く。