先生の言葉にあたしは愕然としてしまった。


イクヤの目は元には戻らないの?


イクヤはもう二度と、光を感じることができないの?


その事実は自分自身に刃のように突き刺さった。


あんな出来事があってようやくイクヤと気持ちが通じ合ったと思ったのに、あたしとイクヤは同じ景色を共有することができないのだ。


その焦燥感は大きかった。


「人のことよりも、君はまず自分の怪我を治すことを考えないと」


「あたしの怪我なんて、大したことないです」


あたしはグッと涙を押し込めてそう言った。


背中に大きな火傷を負った以外は、本当になんでもなかった。


ゴキブリに襲われたときだって、イクヤがあたしを庇って助けてくれたから……。


「先生、あのゲームのことについて教えてください」


あたしはすべてを知るために、そう聞いたのだった。