目が覚めた時、あたしは病院のベッドに上にいた。


「目が覚めたか」


そう言われて頭を動かすと、ベッドの隣に先生がいた。


「先生……イクヤは……?」


「長浜君は怪我がひどくて、今集中治療室にいる」


「イクヤは……助かるんですか?」


そう聞くと、先生は何度も頷いた。


「出血量がひどいけれど、お医者さんが最善を尽くしてくれているから、きっと大丈夫だ」


「視力は? イクヤの視力は戻るんですか?」


意識がハッキリするに従い、倉庫内での出来事を思い出して行く。


あたしは今すぐイクヤに会いたいという気持ちをなんとか押し込めていた。


「それは……残念だけど」