両目を失い、満身創痍になっているイクヤに人殺しなんてできないと思っているのだ。
あたしは一度歯を食いしばり、そしてイクヤへ視線を向けた。
イクヤは今の状況を音だけで判断しようとしていて、少し顔が上に上がっている。
キョロキョロと落ち着きなく周囲を見回していた。
「それなら、あたしを殺せばいい」
そう言ったあたしの声は震えなかった。
本気だった。
イクヤが1人で死んでいくくらいなら、あたしを殺してしまえばよかった。
「ユウ……?」
イクヤの不安そうな声が聞こえて来る。
「大丈夫だよイクヤ。あたしは暴れたり、反撃したりしないから」
あたしは優し声でそう言い、イクヤの手を自分の首へと誘導した。
ここを少し力を込めて握りしめるだけで、あたしは簡単に死ぬ。
好きな人の手によって死んで、好きな人を助けることができるのだ。
これ以上の幸せはなかった。
「なに言ってんだよユウ。そんなこと、できるわけないだろ!?」
イクヤは慌ててあたしの首から手を離した。
「あたしはイクヤに生きててほしい。1秒でも長く、生きていて欲しいんだよ!」
あたしの気持ちはどうすれば伝わるのだろう?
あたしは一度歯を食いしばり、そしてイクヤへ視線を向けた。
イクヤは今の状況を音だけで判断しようとしていて、少し顔が上に上がっている。
キョロキョロと落ち着きなく周囲を見回していた。
「それなら、あたしを殺せばいい」
そう言ったあたしの声は震えなかった。
本気だった。
イクヤが1人で死んでいくくらいなら、あたしを殺してしまえばよかった。
「ユウ……?」
イクヤの不安そうな声が聞こえて来る。
「大丈夫だよイクヤ。あたしは暴れたり、反撃したりしないから」
あたしは優し声でそう言い、イクヤの手を自分の首へと誘導した。
ここを少し力を込めて握りしめるだけで、あたしは簡単に死ぬ。
好きな人の手によって死んで、好きな人を助けることができるのだ。
これ以上の幸せはなかった。
「なに言ってんだよユウ。そんなこと、できるわけないだろ!?」
イクヤは慌ててあたしの首から手を離した。
「あたしはイクヤに生きててほしい。1秒でも長く、生きていて欲しいんだよ!」
あたしの気持ちはどうすれば伝わるのだろう?



