小さく首を傾げると、大郷くんの顔が少し赤くなる

なんだろう、この部屋暑いんだろうか

いやでも、まだ五月だし、そこまで暑いとは思わないけど

「・・・・・・やっぱり、私の妹に」

「それはいいから琴葉さん・・・・・・」

それにしても、先輩後輩にしてはこの二人、やけに仲が良い

幼い頃からの付き合いなのかも

「あ、話ってこれだけなんだけど・・・・・・ごめんね、時間取らせちゃって」

「いえ、特に用もなかったので大丈夫です」

「それならいいんだけど」

その後、これは他言無用だともう一度釘を刺されて、私は二人に見送られながら生徒会をあとにした




「じゃ、いい?」

「大丈夫です多分。姿はだいぶ見えなくなりましたしー」

「りょーかいっ。ちょっと悲しいけど・・・・・・」

「仕方ないですよ。本来は秘匿事項ですから」

「うー」

芽衣が帰ったその後のこと

碧と琴葉は、二人きりの生徒会室で何やら作業をしていた

琴葉は生徒会室の扉がちゃんと閉まっているか確認し、その扉に向かって何かをつぶやく

刹那、琴葉から魔力が溢れだし、小さな光の珠となる

珠は、光の速さでどこかへ消えた

「これで、私たち魔術師のことも、私たちのことも、綺麗さっぱり忘れる。うーん、残念だなぁ・・・・・・」

「お気に入りですか、小鳥遊さんのこと」

「あの子はやっぱり妹に・・・・・・いや、お嫁さんにしたい!」

「琴葉さんまじでそれやばいですよ?」

「うるっさいなー。碧もそんなこと言って惚れたんじゃないの?」

「ばっ、んなわけないない」

「ふーん?」

扉から離れ、ニヤニヤと碧に近寄る琴葉

頬が真っ赤に染まっている碧を見て、琴葉は確信する

「あの子、相当強いでしょ。化物の認識力。碧が守ってあげなよ?化物にとっては、格好の餌なんだし」

「わかってますって。って言うか前の優しい性格はどこへ・・・・・・」

「ん?なんか言ったー?」