「この馬鹿!!アレルギーの原因となる物質を、食べたり吸い込んだりすることで全身に症状が出る反応のことだ!!」

「へ、へぇ〜。そうなんですか……」

原刑事が苦笑いをする。藍たちは黙とうをし、解剖を始めた。

「胃の内容物取り出します!」

「右肺、重さが……」

解剖は順調に終わり、藍たちは椅子に座った。

「白鳥さんは食べ物などでアレルギーはあったんですか?」

藍が訊ねると、如月刑事が首を横に振る。

「いや、食べ物のアレルギーはなく強いて言うなら花粉症だったと言っていました」

「……花粉症……」

考える藍を見て、如月刑事が頰を赤く染める。ムッとしたような表情の大河が手を上げた。

「花粉症って、どの植物によるものですか?」

「……スギだと話していた」

藍に答えた時とは違い、如月刑事の声が低くなる。二人の間に火花が散り、朝子と聖は目の前の三角関係に胸を高鳴らせていた。

「とにかく、胃の内容物の結果を見て、白鳥さんがアナフィラキシーショックを起こした食べ物を調べます」