如月刑事がそう言い、藍は「お願いします」と頭を下げる。そして、言った。

「できれば、白鳥さんのインスタグラムも見てほしいの。トマトの美容クリームを買ったのか、人からもらったのかアップしているかもしれないし……」

「わかった。調べる」

居酒屋を出た後、藍は遠慮したのだが如月刑事に送ってもらった。

「なんだか付き合っていた頃みたいだな」

如月刑事がそう言い、藍の肩を抱こうとしたが藍は偶然にも避けた。

行き場を失った手は空中で止まる。

「今日はありがとう。おかげで、白鳥さんがどの食べ物で反応したのかわかったわ」

おやすみ、そう微笑んで家の中へ入っていく藍を、如月刑事は顔を真っ赤にしながら見つめていた。



次の日、如月刑事は原刑事とともに白鳥うららの住んでいたマンションを訪れた。

「いや〜、いつ見てもでかいな〜……。こんなところ一度でいいから住んでみたいですよね〜」

防犯対策もしっかりされた三十階建ての高級マンション。その最上階に白鳥うららは住んでいた。3LDKの広い部屋だ。

「美容クリームを探せ。俺はこっちを探す」

白い手袋をはめ、如月刑事は家の中を調べる。高級な家具やブランドものの服がたくさんある部屋だ。