「トマトでアナフィラキシーショックを起こした!?」

大河の電話を切った後、すぐに藍は如月刑事に言った。

「な、何でそんなもので……。トマトって健康にとてもいいんだろ?」

戸惑う如月刑事に、藍は説明する。

「白鳥さんは、スギ花粉に対してアレルギーを持っていた。トマトには花粉症の原因物質と似た物質が含まれているの。実際にトマトでアレルギー反応を起こす人もいるわ。トマトの他にも、ブタクサの花粉がダメな人はメロンやきゅうりにアレルギー反応を示すことがあるし、ヨモギだとセロリやにんじんでアレルギー反応が出る人がいるの」

如月刑事は手を顎に当てて考える。

「つまり、トマトの成分がたっぷり入った美容クリームが白鳥うららの家などから出てきたらそれがきっかけでアナフィラキシーショックが起きたとなるのか……」

「トマトに対して抗体ができたということになるわ」

「わかった。明日、白鳥うららの住んでいるマンションをもう一度調べてみる」