「言わない。だけど、今日会って思った。私はやっぱり希勇が好きだって」

諒がぎゅっと拳を握る。

その顔は、悔しさで歪んでいた。

「何で……!今、アイツが出てくるんだよ…!」

苦しそうに呟いた後に、唯を見る。

唯は、パッと諒から目をそらす。

「唯……、お願いだからもうアイツと会わないでくれ……」

諒が唯の肩を掴んで頼む。

その力はとても弱くて、唯が振り払おうと思えば、振り払えるぐらいの力だった。

「…やだ」

唯が諒の手を払う。

「会ったら、俺と唯がヤったって、アイツに言うよ……?」

脅しのような諒の言葉に唯の顔がさっと青くなる。