「…分かった」

どす黒い笑みを浮かべると、諒はスマホで何か調べ始める。

「じゃあ、今週の日曜に俺の家に荷物運べよ?手配しとくから」

「OK、OK」

唯は手でOKサインを作ると、スマホのカレンダーの日曜日に【引っ越し】と打った。



















―――日曜日――――

「佐藤さーん、この荷物で最後ですかー?」

「それで最期です」

引っ越し業者を手伝いながら、諒の家に唯の荷物が全て運び込まれる。

マンションの一室である諒の部屋は一気に狭くなった。

「唯、お前荷物多すぎ」

段ボールの数を数えて諒がため息を吐いた。