そっか。付き合ってたんだ。二人は。

これで俺も、諦めきれるかな?



「いやー、諒と佐藤が付き合ってくれて、なんか嬉しいわ」

本心、本心だ。

喜べ、俺。やっと諦めがつくんだぞ?

動揺なんか見せるな。

いつも通りの俺でいなきゃ。





――――その日の俺は、相当不自然なくらいにテンションが高かった思う。

そうすることでしか、自分を保つことが出来なくなってたと思うから。







二人が去った喫茶店。俺と彼女が残される。

「きー君の高校時代のお友達なんでしょ?お似合いの二人だったね」

俺の気持ちもしらずに、彼女は笑顔で言う。

「うん、そうだね」