そしてたどり着いたのは…



倉庫。



「ねぇ、こんなところに連れてきてな、何？」



私は不安でいっぱいになる。



嫌な予感しかしない。



「ねぇ、あんたさぁ、なんで雨ケ谷君をそそのかしたの？



自分が綺麗だからって調乗ってんじゃないわよ！！」



そう言っドカッと近くのマットを蹴る花園さん。



「そ、そんな…



調子に乗ってないし、そそのかしても…」



「だったら別れてよ？



できるでしょ、それくらい。



あたしが何をしても雨ケ谷君、無視して…



あんたのどこがいいのかしらねぇ〜どうせ顔だけだろうよ。」



なんて嫌味ったらしく言う。



教室とは口調がすごく変わってる。



その様子を後ろで伊集院さんはクスクスと笑っている。



霧島さんはぎゅっと目を瞑ってスカートの丈を握りしめている。



「うざいのよ！



あんたの存在が…



あんたと、藍がいなけりゃ、この学校のアイドルはあたし一人で、全男子生徒はあたしの奴隷だったのに…



ふざけんな、ふざけんな、ふざけんなふざけんなふざけんなふざけんなふざけんなふざけんな！！」



そう言って私のお腹を蹴る。



「ゔっ…」



痛い…



「ほら、別れるっていいなさいよ。



それで、このあたしと付き合うようにいいないよ！



私とは別れて花園さんと付き合った方がいいよってさぁ！」



彼女、バカなの…？



いかれてる、おかしいでしょ。



「そんなことして何になるの？



どうせあなたは愛されない。」



「クッ…



ちょーしのってんじゃねぇーよブス！」



そう怒鳴って私の髪を引っ張る。



「いっ…痛い…」



「当然よ。ねぇ、愛里菜〜あれ、用意して。



霧島、あんたもよ。」



「えぇ、面白そうだしいいわよ。」



「…わ、わか、わかりました。」



そう言って2人は一度倉庫から出る。



「さぁて、いまからあんたはどうなるんでしょうかぁ」



そう言ってニヤリと笑う。



「持ってきたよ、水。あとバットも一応、ね。」



「わ、私も…鍵と、カッターナイフを…」



「んふっ♡



まずは…」



花園さんは伊集院さんからバケツを受け取り即座に私に向かってかける。



「きゃっ」



そして今度はバットであちこち叩かれる。



あちこち傷だらけだ。



制服も、髪も、水でべちゃべちゃだし。



「いい気味！これじゃあ授業にも出られませんねぇ〜、可哀想にぃ…綺麗な顔以外は傷だらけ♡」



「…気は済んだ？」



あたしはそんな言葉を無視して睨みつける。



「チッまだへばってねぇし。



そんなにこれで切られたいの？」



そう言ってカッターをカチカチならす。



ゾクリ…



冷や汗が出る。



さすがに、カッターは…まずい。



すると、チャイムがなった。



「これまでか、運がよかったわね。



行きましょ！



っと、その前に…」



出ていくのかと思いきや花園さんがどこからか紐を取り出す。



「愛里菜もよろ。」


「えぇ、わかったわ」



そして、そのまま私の腕と足を縛り付ける。



「離しなさいよ！」



「べぇーだ、調子に乗ってばっかりで本当にうざいから。」



そう言って3人は出ていき、ガチャリと鍵まで閉められてしまった。