「でも……私、オリオンを助けたい! この命がなくなったとしても……」

「セナ!」

アルテミスはその瞳に涙を浮かべながらも、キッと私を睨んだ。

「自分の命を投げ出したりしないで! それでオリオンが助かったとしても……彼はきっと、悲しみ苦しむことになるわ」

「でも……」

分かっている……彼女の言おうとしていること。でも、それでも。私はどうしても、助けたいんだ。愛しくて堪らない、彼のこと。

アルテミスを見つめる私の目にも涙が浮かんで……。そんな私の瞳を見て、彼女は目を閉じて溜息を吐いた。

「一つだけ、方法があるわ」

「えっ?」

「オリオンとあなた、どちらも助かる方法……」

「本当!?」

私は目を輝かせて……だけれどもアルテミスの表情は曇ったままだった。

「ええ。だけれども、これは途轍もなく危険な賭け。もし失敗したら……オリオンとあなた、どちらも命を失うことになる。どう……やる?」

彼女は不安げに尋ねたけれど、私の答えは決まっていた。