「僕はオリオンから、君を預かってきたんだ」

「預かって?」

「そう」

ガイアはうなずいた。

「あなたはサソリに刺されたんだ」

「えっ、サソリに!?」

「ああ。それは瀕死の重傷で……オリオンには打つ手がなかった。だから、僕が君を引き取って、治療して。今、やっと目を覚ましたんだ」

「そう……あなたが助けてくれたの。ありがとう」

私は思い出した。
そうだ……あの時。オリオンに迫るサソリの針から彼を守ろうとして。私は思わず彼の方へ駆けて、そうしたら背中に激痛が走って。
そうか……刺されたんだ。

でも……

「じゃあ、なおさら。オリオンのことが気になる! だって、サソリに狙われてたし……」

私はドアに走ろうとして……だけれども、体の平衡感覚が保てずによろめいた。
そんな私の体をガイアが支えた。

「ダメだよ、セナさん。無理しちゃ……」

「だって、オリオン……彼は狙われてるの」

「彼なら、大丈夫だ。大丈夫だから……君はまずは、体を治す方が先なんだ」

「でも、でも……」

オリオンのことが気になって仕方がない。
でも、体が全く言うことを聞かずに……私はベッドに倒れ込んで、まるで死ぬように眠り込んだのだった。