「う……ん……」

目を覚ますと、私は温かいベッドの上に寝かされていた。
私、どうしたんだろう?
起き上がろうとしたけれど、体が重くて鉛のようで。言うことを聞かなかった。

そんな私に、聞き覚えのある声が掛けられた。

「まだ起き上がらないで。毒が抜けきってないし、安静が必要だから」

「えっ」

その声の主は、茶色い髪に白い肌、黒い瞳……見覚えのある顔だった。

「ガイア……」

そう。彼はあの日、サソリから助けてくれた美青年……ガイアだった。

でも、どうして? オリオンは……?

私は重い体を無理に持ち上げ、ベッドから起き出した。

「セナさん! だから……まだ起き上がってはいけないって」

ガイアは慌てて私の腕をつかむ。
だけれども……

「オリオンは!?」

私の頭は彼のことでいっぱいだった。

「オリオンは! 今、どこにいるの?」

「セナさん。落ち着いて!」

ガイアはグッと私の目を見つめた。