温もりを感じる。懐かしい温もりを……
それは幼い頃にずっと感じていて、もう忘れてしまった。
だから、恋しくて。
私はその温もりに身を委ねようとした。

「セナ……」

切なくなるほどに懐かしい声が聞こえる。そう……もう二度と聞けることはないと思っていた。幼い頃、永遠のお別れをした……

「セナはこちらに来てはいけないよ」

顔が影になっていて見えない。だけれども、私はその彼が誰なのか知っていた。

「どうして……行ったらいけないの?」

私も行きたい……そう。お星様になって、お父さんの横で輝いていたいのに。
すると、彼はやはり影になっていて見えなかったけれど。少し寂しそうな笑顔を浮かべた。

「セナには、守るべき愛しい人……そして、愛しく思ってくれる人がいる。だから……来てはいけない」

「そんな……私も守って欲しかった。愛しく思っていた。それなのに……行ってしまったじゃない!」

私の瞳からは涙が止めどなく溢れて。すると、彼はそっと、静かに口を開いた。

「だからだよ」

「えっ?」

「セナは……後に残された者の辛さや悲しみを誰よりもよく知っている。だから……来てはいけないんだ」

そんなことを話す彼の目からも、一筋の涙が伝って落ちて。

「お父さん……」

そう呟いた途端……私の目の前は、眩いばかりの光に包まれた。