アルテミスに案内されたのは森の中の小屋で……それは外装内装ともに、この世界の森の中にあるとは思えないほどにアンティークでお洒落だった。

「ハーブティーでいいかしら」

「あっ……ありがとうございます」

ハーブティーなんて、この世界にもあったんだ。それは、小さなカップに注がれて、アルテミスが私のもとに運んでくれた。
いつもオリオンと一緒に飲食していたのはもっと原始的な肉とか魚とか……沸かした水とかだったので、久しぶりに匂うその香りはとても新鮮だった。

「それで……オリオンの話かしら?」

「えっ……」

「あなた。今日、早速来てくれたのは、オリオンについて聞きたいことがあるんでしょ?」

「え、えぇ……」

アルテミスには、私の考えていることはお見通しのようだ。
そして、目を細める彼女は美しく、キラキラと輝いているように見えて。私はドキドキして、タジタジだった。
驚いた……少し話すだけで、こんなにドキドキする女の人がいるだなんて。流石は女神様、というべきなのかも知れない。

私はおずおずと口を開いた。

「あの……昨日、言って下さいましたよね」

「えっ?」

「オリオンは、私をいたく気に入ってるって。その……あれはどういう意味なんでしょうか?」

ちょっと唐突すぎるかも知れないのだけれど……私の口からは、一番気になっている疑問が出た。