あたしたちが仕事を失ったことを言うと、三人もそれぞれ話してくれた。

「俺はずっと農業をしていたんだけど、どれだけ一生懸命作っても安く買い叩かれてしまうんだ。そして、「お前の作る野菜は栄養がない」って言われて畑を取り上げられたんだ」

もう働けなくなった祖父母がいるというマルコが自分の腕を強く掴む。マルコは頭がよくしっかり者だったが、家が貧しかったため進学することはできなかった。

「最近は肥料も高いし、不作が続いているのにそんな言い方……」

ミアが呟く。次に、いじめられっ子だったピーターが言った。

「僕は工場でずっと働いていたんだけど、クビになったんだ。マンションの家賃が払えないし、いつ追い出されるかわからないんだよ」

「あたしと一緒だな」

あたしはピーターに、ううん、ここにいる全員に同情する。

最後に、仲間思いの不良だったグラントが言った。

「俺はこの国じゃ少数民族だ。だから差別を受ける。そのせいでロクな仕事に就けないんだ。少数民族だということを隠していたんだが、バレてクビになった」