「あとは親玉と幹部たちだけですね」

あたしがそう言うと、ハルトさんも「ああ」と力強く笑う。

銃を構え、あたしたちはゆっくりと進む。コツコツという足音が無駄に響いた。

「ジーナ、この作戦が終わったら頼みがあるんだ」

前を歩くハルトさんがあたしの方を振り向く。その頰は赤い。

「警視殿、何でしょうか?」

あたしが訊ねると、ハルトさんは恥ずかしそうに言った。

「俺とデ……デートしてほしい。敬語をやめてほしい。そして俺の名前をーーー」

パンッ!!

銃声が耳に聞こえた刹那、目の前にいるハルトさんの体が前に崩れ落ちる。倒れた体からは鮮やかな血が流れ、あたしの心臓がドクンドクンと鳴った。

チャキッ、と銃を構える音がする。この音が聞こえたのはあたしたちから南側だ。

相手があたしを撃つよりも早く、あたしは銃を向けて相手を撃っていた。いつもは引き金を引く時、何も考えないようにしていた。でも今は、胸の中に怒りがあった。

パンッ!!