しかし、男性の銃は弾が切れたらしい。カチカチと引き金を焦ったように男性は何度も引くが、銃弾は出てこない。

あたしとハルトさんは頷き、男性に銃を向ける。

「両手を上に上げて、地面に伏せなさい!抵抗したら撃つわよ」

低い声であたしがそう言うと、男性は観念し指示に従う。ハルトさんが手錠を取り出し、逮捕した。

アジトは気を緩めることができない。罠が仕掛けられていたり、突然攻撃されることもあるからだ。

「……ッあぁぁぁぁ!」

大声を出しながら、女性がナイフを持って走ってくる。あたしは女性の腕を押さえ、ナイフを取り上げた。素早くハルトさんが取り押さえる。

アジトには予想以上の人がいた。ジュグムのメンバーもいれば、人身売買のために誘拐され監禁されていた人たちもいる。

メンバーは逮捕し、捕らえられている人たちは助け出す。そんなことを繰り返していた。

メンバーのほとんどはもう捕らえられただろう。あたしは連行されていく人を見つめながらそう思う。