アジトを奇襲するのは、明後日となった。一段と訓練が厳しくなるだろう。

「解散!!」

あたしだけでなく、みんな訓練所へと向かう。いつも怖い教官がさらに怖くなる、とみんな震えながら話していた。

ポン、と肩に優しく手が置かれる。振り向くとハルトさんだった。

「明後日の奇襲の時、ジーナは俺のそばにいてもらう。俺の右腕になってくれ」

あたしはもちろん、廊下を歩いていた全員が足を止めてこちらを振り返った。その目には、様々な感情が隠されている。

本気なのか、という驚きの目。何でコイツが、という怒りの目。警視殿は大丈夫なのか、という心配の目。様々な視線が突き刺さり、あたしは居心地が悪くなる。

「君は、必ず俺が守る」

耳元でそっとささやかれた。

「……どうして……」

震えた声で呟くあたしに、ハルトさんはただ微笑んでいた。



そして、厳しい訓練を積み奇襲する日がやってきた。

ボロボロの廃病院を、黒い制服を着て武装した特攻班が取り囲む。この廃病院が敵のアジトだ。