「お客さん! 入らないのかい!? ……あれ、セピアさんじゃないかい。今日も来てくれたのかい?」
恰幅のいい女性が声をかけてくる。いつの間にか目的のレストランまで着いていたらしい。
「ああ、はい……。どうも、おかみさん……」
「しかも今日は女性まで連れて。これは、いい席に案内しないとねえ。ささ、入っておくれ」
なんだか気まずい空気のまま、おかみさんについて店内に入る。インテリアのかわりに置かれた樽や、厚みのある木のテーブル、使いこまれたエプロンでぱたぱたと働く従業員たちが、豪快だけどもアットホームな雰囲気を感じさせる。
労働者ふうの男性たちが談笑しながらお酒を酌み交わしているので、庶民的な、地元民に愛されるお店なのだろう。
「お店の前でする話じゃなかったね、ごめん」
窓際の一等広い席についたセピアが、自嘲するような声でつぶやいた。
「ううん、私こそ……。驚いちゃってごめん」
「返事はゆっくりでいいからさ。とりあえず今日は食事を楽しもうよ」
泣きそうにも見えた顔をぱっと明るくして笑うセピアに対して、私だけ神妙な気持ちを引きずることはできなかった。
「……うん、わかった。今日はいっぱい食べちゃうから、覚悟してね」
「もちろん。そのつもりで連れてきたんだから」
オーダーを取りにきたおかみさんに、シェフおすすめだという子羊のグリル、牛肉のステーキ、温野菜のオリジナルソースサラダ、グリーンピースのポタージュ、前菜の盛り合わせ、ワインなどを注文した。
恰幅のいい女性が声をかけてくる。いつの間にか目的のレストランまで着いていたらしい。
「ああ、はい……。どうも、おかみさん……」
「しかも今日は女性まで連れて。これは、いい席に案内しないとねえ。ささ、入っておくれ」
なんだか気まずい空気のまま、おかみさんについて店内に入る。インテリアのかわりに置かれた樽や、厚みのある木のテーブル、使いこまれたエプロンでぱたぱたと働く従業員たちが、豪快だけどもアットホームな雰囲気を感じさせる。
労働者ふうの男性たちが談笑しながらお酒を酌み交わしているので、庶民的な、地元民に愛されるお店なのだろう。
「お店の前でする話じゃなかったね、ごめん」
窓際の一等広い席についたセピアが、自嘲するような声でつぶやいた。
「ううん、私こそ……。驚いちゃってごめん」
「返事はゆっくりでいいからさ。とりあえず今日は食事を楽しもうよ」
泣きそうにも見えた顔をぱっと明るくして笑うセピアに対して、私だけ神妙な気持ちを引きずることはできなかった。
「……うん、わかった。今日はいっぱい食べちゃうから、覚悟してね」
「もちろん。そのつもりで連れてきたんだから」
オーダーを取りにきたおかみさんに、シェフおすすめだという子羊のグリル、牛肉のステーキ、温野菜のオリジナルソースサラダ、グリーンピースのポタージュ、前菜の盛り合わせ、ワインなどを注文した。



